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2009/07/02
灯台下暗しというように、生まれ育った土地でも知らないことや、行ったことのない場所というのは実にたくさんある。他県に比べると狭いはずの東京も、改めて考えてみるとそんな場所ばかり。 京都や奈良の観光地に出かけていても、東京都内の観光地はなかなか足を向けることがなかった。日々の暮らしで精一杯ということもあるのだろうが、いつでも行けると思っている場所ほど、意外と行かないものである。 だが、最近は改心して、「長年、住んでいる町なのに、知らないことだらけというのはもったいない」と考えるようになった。なぜ、そんな思いに至ったのか? きっかけはいろいろあるが、影響を与えたものの一つとして、本コラムの執筆を通じて出会った様々なブログの存在を挙げたい。ブログというのは、運営者の視点がクッキリと表れる。自分の視点とは違う他者の視点から物事を見聞きすることで、物事を再認識させられた。そんな中でも、とくに気になっている存在が東京の町というわけだ。 では、筆者に東京という町の魅力を感じさせてくれたブログを、一つ紹介しよう。生まれが昭和ヒト桁という人生の先輩、kunitaroさんが運営する「シニアの挑戦」である。 ブログのメインコンテンツは“東京散歩”シリーズ。東京23区、とりわけ下町界隈を中心とした散策日記である。これまで東京散策がテーマのブログを数多く読んできたが、このブログにはとくに惹かれてしまった。 読み応えある紀行文風の文章と、フォトブック(インターネット上の写真アルバム)や動画投稿サイトをフルに活用した写真、そして映像がブログに彩りを添えている。年齢をいうのは失礼と思うのだが、自分の父親より年齢が上の世代ということを考えるとやはり感心してしまう。「シニアの挑戦」というタイトル通り、すばらしい意気込みを感じるブログである。 ブログというのは、誰もが自由に書けるものだが、kunitaroさんがつづる散策日記からは、人生観のようなイメージが伝わってくる。若い頃なら、「それが何だ!」という気持ちを覚えたのかもしれないが、今は驚くほどストレートに心の中で響いてきた。 これまで公開された散策日記には、「皇居周辺、江戸城を取り巻く大名屋敷」、「愛宕山から浜離宮まで、江戸時代の大名屋敷庭園のいま」、「奥州街道・日光街道の千住宿」、「静寂な街上中里から旧古河庭園・西ヶ原一里塚」などがある。 日頃、ごちゃごちゃして、せわしなく人々が行き交っている東京の町並みも、東京散策という視点から見てみると、「こんなにも魅力ある町なのか」という思いに駆られてしまうのだ。 (原 如宏)
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