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2009/05/21
西暦760年頃に編集された日本最古の歌集「万葉集」。全20巻。4500首以上の歌が集められている。万葉集というと、遠い昔に勉強したことはあっても、今から読み返してみようと思う方は少ないかもしれない。そんな方にお薦めしたのが、Y. SAITO氏が運営するブログ「万葉集遊楽」である。 今年3月から運営を始めた万葉集遊楽は、万葉集の中から、筆者が選んだ歌を紹介する歌選ブログ。分かりやすい言葉で歌の内容や、歌われた時代の背景、歌に関連した他の文学作品などを紹介している。公開間もない3月には、多数の作品を紹介したこともあり、公開わずか3カ月あまりにも関わらず、200を超える作品が解説付きで紹介されている。 作品は、内容に応じて「自然」「植物」「動物」「心象」「生活」の5ジャンルに分類。同ジャンルの作品がまとめて読めるように配慮されている。紹介された作品を1つ読むごとに、万葉の時代が目に浮かぶ、万葉集の魅力を再確認させてくれる。 万葉集を魅力的にしているのは、天皇・貴族などの歌人たちだけでなく、名も無き庶民まで、広く歌を集めていることだろう。歴史などで習った防人の歌や東歌などが、その代表格だ。 また、古代の歌集というと、短歌が中心と思ってしまうが、万葉集には短歌の外に、五・七調の言葉を連ねていき最後に五・七・七で終える「長歌」や、五・七・七で一括りの語句を6つから成る「旋頭歌」というものもある。 歌われた時代も実に幅広い。古くは古墳時代中期の仁徳天皇時代(4世紀)から、編さんが終わった奈良時代まで、400年以上の幅がある。当時の人々がどういったことを考えていたのか。1300年前以上もの人々がどのように考え、生きていたのか。1つ1つの作品を読んでいくと、時代を超えて身近な存在になってくるから面白い。 運営者、Y. SAITO氏は奈良県出身。現在は会社を退職後、早稲田大学で万葉集について学んでいる。このブログは、万葉集の魅力を伝えたいという目的で開設されたそうだ。原文のままだと読む万葉集も、易しい解説付きのこのブログなら、誰もが読み進められることだろう。 (原 如宏)
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