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大人のブログ探訪

『再開発で変わる東京風景』

2007/11/22

『再開発で変わる東京風景』

 このブログの魅力を知っていただくためには、とりあえず、掲載されている写真を見てもらうのがいいだろう。例えば、こちら。

 「聖路加タワーから見る豊洲の変化

 ここでは、タイトルのままに、豊洲の変化を写しだした風景が5枚アップされている。上から順に「2003年09月」「2005年01月」「2005年09月」「2006年01月」「2006年10月」「2007年08月」に撮影されたものだ。続いては、こちらをご覧いただきたい。

 「消えた長屋(勝どき駅前再開発)

 こちらは先ほどの高層ビル群とは打って変わって下町の一風景だ。しかも2枚だけである。ただ、趣のある長屋が忽然と消え去っている情景からは、少なからず何かしらの想いを抱くのではないだろうか。

 この『再開発で変わる東京風景』なるブログは、このように異なる時代に同じ位置から撮った写真を並べることによって、様変わりする東京の様子を伝えているのだ。ちなみにいちばん古い写真は1998年のもの。撮ったアングルは150を数える。

 「ここ数年、デジカメを持って散歩するのが趣味となっていました。それで、後日の写真整理のたびに、もうなくなってしまった景色を見ては懐かしんでいたのですが、今現在のものと見比べてみたら面白そうだなあと思ったのです」

 作者であるモナ吉さんは、このブログを始めたきっかけをこのように語る。そして、変わりゆく町並みを写真に収め続けていったわけだが、こういった時代の流れから汲み取る想いは、大きく分けると二つあるだろう。

 ひとつは、きれいなビルが建ち並ぶ風景から、わくわくして心躍らせるというもの。そしてもうひとつは、懐かしい街がなくなり寂しさを感じるというもの。モナ吉さんは、こういった異なる感慨が存在することを、実際に出会った人との対話で知ったという。

 「過去の写真を持って撮影ポイントを探していると、後ろから『懐かしいねえ』と声をかけられました。その方は以前、これから撮影しようとしていた更地に住んでいらしたようなのです。再開発で60年以上も住んでいた街から去ることになったようで、街が便利になることを喜んでいた私にとってはとても感慨深かったですね」

 このように、その場所ごとにいろんな想いがあることに気づいたモナ吉さんは、そういった人たちの話を聞くのが楽しくなっていったという。

 「ブログをやっていて楽しいのは、紹介した写真に写っている景色の中に、訪問してくださる皆さんの色んな思い出があり、そんな思い出を聞かせてもらえることです。あと、撮影した景色が今後どうなるのか、皆さんと色々想像するのも楽しいですね」

 このように時間をおいて同じ場所からの写真を撮るだけなのに、様々な人の想いを喚起するこの『再開発で変わる東京風景』。時系列で表示されるというブログの特性も上手に活かした実に素晴らしいコンテンツだと思うのだ。

(岡部敬史)



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hanaさん初めまして。コメントうれしいです(^.^)
お写真拝見しました。歩いていると、つい見過ごしちゃうような風景を
切り取ると、こんなにも色んなイメージが浮かんでくるものなんだなあって
見ていてとても楽しいです☆自分の好きな曲を聴きながら見ると、
さらに心地よいです(^.^)
新しい風景ばかり追っている私ですが、
同じくらい懐かしい風景も好きなんです。
hanaさん本、大変興味があります(^.^)チェック

投稿情報: モナ吉 | 2007/11/24 13:32:23

阿佐ヶ谷住宅を撮り続けております。2007年4月の銀座CANONギャラリーを皮切りに札幌、梅田と阿佐ヶ谷住宅の写真をまとめた個展「サクラドロップス」を行いました。2008.01には阿佐ヶ谷の路地を中心にまとめた写真+エッセイの文庫を出版いたします。
日々、阿佐ヶ谷を中心に東京の「生活の匂い」のする写真を公開しております。
再開発 ではないですが、消え行くものを懐かしむ、あるいは単にノスタルジーとして残すという視点ではなく、新しいものと共生していく、なんでも取り込んでしまう東京をお伝えできればと。

長くなりました。とりあえず・・・サイトに遊びにいらしてください!

投稿情報: hana | 2007/11/22 19:14:20


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