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2008/11/13
ここ数年、美味しく安全な野菜を食べたいと思う人の増加とともに、家庭菜園がブームになっている。読者のなかにも自宅近くに畑を借りたり、ベランダでミニトマトを育てたりしている方がおられるのではなかろうか。 今回ご紹介するのは、そんな家庭菜園に関心のある方にとって実に興味深いブログだと思う。タイトルは「屋上コンテナ菜園」。文字通り自宅の屋上で数々の野菜を育てている記録だ。 「農家をやっている親父が、去年の今頃何を植えたかなどがわかる『3年日記』なるものを付けていました。それでブログに日記を投稿しておけば、同じように過去に植えたものがわかるかなと思い始めました。ただ、こんなに続くとは思っていませんでしたね」 こう語るのは、ブログの作者である橋詰さん。このようにご自身でも驚くほどに続いているブログの記事数は、2004年の6月開始以降、1800を超えている。そんな数多くの記事のなかから「思い出に残るものは?」と尋ねると「水耕栽培の記事ですね」という答えが返ってきた。水耕栽培とは、土を使わず養分液で作物を育てる方法だ。 「こんなんでいいのだろうか? 2リットルのペットボトルをはさみで加工して、ネギの水耕栽培にチャレンジです。コンテナ植えのネギの再生スピードが寒さでガタ落ち。何とかしたくてコンテナから掘り起こして、温室内で水耕栽培にしてみました。《中略》土栽培に比べ水耕栽培の方が手間も経費も掛かるかも知れませんが、何故か水耕栽培に引き寄せられています」 その水耕栽培に関する初めての記事がこちら。このように試行錯誤で始まったわけだが、今や4年目に突入し、水耕栽培したミニトマトは1株で3000個以上の収穫を収めるようになったという。また、最近楽しんでおられるという「コンポストタワー」なるものも実に興味深い。 「袋植えを改良したコンポストタワーですが我が家では大活躍です。中心に見えるペットボトルが要です。沢山の穴を開けたペットボトルを埋め込んでここから注水します。袋の側面には穴を開けて苗を植え込んでいます、通常は上面だけに植え込みますがこの方法だと沢山植え込めますね。葉物20株ほど仕込んで有ります」 記事にアクセスして写真を見ていただきたいのだが、橋詰さん曰く「簡単に言うと野菜の立体栽培です」というとてもユニークな栽培方法だ。このような「水耕栽培」や「コンポストタワー」といったものが、屋上という限られたスペースで行なう家庭菜園にとてもマッチしているように思う。従来の畑とは違い、土地のない都会暮らしの人でも「できるかな」と思わせてくれるところが実にいい。 またこういった菜園のエントリーの合間にアップされる風景写真も味わい深い。 「屋上への階段を上がる時に見上げる空が今日は一段と綺麗です。こんな日は富士山が見えるだろうなと期待しながら階段を上がります、そして真っ先に南南西の彼方を見ます。朝日にきらめく富士山が綺麗です、それに、我が家の屋上から見える富士山はすでに真っ白になっていました。これほどはっきりと見えるのは久しぶりのような気がします。しかしいつ見ても良いもんです! そして西の空には白いお月さんがまだぽっかりと浮いていました。青い空に幻のように浮かんでいました」 この記事にもあるように富士山が見られ、「今年の可視富士は今のところ109日です、これから年末にかけてぐんと増える予定です」だという。 このように屋上での家庭菜園を、いろいろ試行錯誤しながら楽しんでいるこの『屋上コンテナ菜園』には多くの読者が訪れている。 「ブログをやって楽しいのは、コメントやトラックバックを受けるときでしょうかね。知らない情報を教えてもらったり、それをきっかけに種や苗を送ったり送られたりしています。またアクセス数が増えてきたことも嬉しいですね。エコや食の安全のおかげか菜園ブームですが、畑を利用できる方は少なく圧倒的にベランダや屋上でコンテナ栽培をやろうかって方が多いのだと思っています。検索から見に来てくれる方も多いですし、もし私のブログを見て栽培方法を真似してくれているとしたらうれしいですね」 家庭菜園をやりたいと思っても、住環境によってはなかなか思うようにできない人も少なくないだろう。しかし、ここで紹介されている「屋上菜園」は、少ないスペースでも実現できそうだ。そんなハウツーを、楽しい日記スタイルの記事で知ることができるのは、なんとも嬉しいかぎり。菜園に興味のある人は、ぜひアクセスしてご覧いただきたい。 (岡部敬史)
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屋上コンテナ菜園はこちらに引っ越しました。
http://okujou.seesaa.net/
投稿情報: NAO | 2009/12/13 12:50:52
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