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2009/06/04
最近、私はもう1度“江戸文化”を見直したいと思い始めている。2003年は江戸開府400年を迎えたこともあり、江戸文化を見直す気運が高まった。この江戸人気は一時的なものにはとどまらず、いまも続いているようだ。 なぜ今、江戸文化が見直されているのだろうか。その大きな要因は、スローライフが見直されたことや環境への関心が高まったことなどが関係しているかもしれない。 江戸時代の生活は無駄を出さない循環社会だったといわれている。エコが叫ばれている現代には見本となるものだ。お金がすべてという経済至上主義の感覚はみじんもなく、逆に富を得て裕福な生活をすることが罪とされていた時代。若い世代でも現代とは全く違う価値観に驚きと、魅力を感じてしまうようだ。 そんな江戸文化に魅力を感じるは筆者だけではないようで、毎年11月に実施されている「江戸文化歴史検定」には過去3回で2万7000人もの受験者が参加した。 江戸文化検定というのは、全国各地でブームとなっているご当地検定の1つ。江戸時代の生活、歴史などについて、幅広い知識を問う検定試験である。数ある検定試験の中でも、難関とされているだけに、江戸文化を深く知るために挑戦してみたいと思うようになった。 そんな検定の試験勉強をする合間に、興味深く見ているブログが「気ままに江戸♪ 散歩・味・読書の記録」だ。ブログの運営者は、難関とされる江戸文化歴史検定でもっとも難しい1級に合格した方。1級というレベルは、検定を主催する江戸文化歴史検定協会によると「現地で旅行ガイドとして生計が立てられるレベル」という。江戸文化の魅力を広めるガイドになれる実力を備えた方というわけだ。 ブログでは「江戸の歳時記」と題して、江戸時代から季節ごとに庶民が楽しんできた花々などを紹介している。花より団子という方は、「江戸からの和菓子」や「江戸の味」というカテゴリーがおすすめ。江戸時代から続く老舗の味を紹介している。 個人的に興味深かったのは、都内の神社仏閣の紹介。中でも「御符内八十八ヶ所」というのは、このブログで初めて耳にした。八十八ヶ所巡りといえば、四国遍路のことだと思っていたが、江戸時代、四国まで巡礼に出かけられない庶民のために御符内(品川、四谷、板橋、千住、本所、深川の内側の地域)に、八十八ヶ所の霊場を設けたのだそうだ。 現在は、お寺の移転などもあり、23区内に散らばってしまったが、巡礼の伝統は今も受け継がれている。確かに下町を散歩すると、都内とは思えないようなひなびたお寺があったりして、驚くことがある。ブログをきっかけに見聞きした江戸の魅力。梅雨前の清々しい1日、ブログに紹介されたスポットに出かけてみると、今まで見過ごしていた江戸文化の魅力を再考するきっかけになることだろう。 (原 如宏)
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始めまして。
こちらで紹介されたブログは素敵でした。
御符内の八十八ヶ所というのがいい。
わたしも踏破してみたいと思いました!
投稿情報: solon | 2009/07/27 15:27:50
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