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2007/07/26
「よく『バーって入りにくいよね』って言われるのですが、こんな素敵な空間があるのにもったいないな、と思っていたんです。そこで、『バーに行ってみたいけど、勇気がなくて……』とか『知らないバーは敷居が高い』という人の参考になればと、趣味である飲み歩きの記録としてブログを始めました」 このように語るのは、東京や大阪のバー探訪記を綴るブログ『バー千夜一夜』の作者である酒肴人Mさんだ。 たしかに、バーという空間で静かにグラスを傾けるのは何とも心地よいが、初めて訪れるときはとても緊張するものだ。しかし、バーに関する情報というのは、他の飲食店に比べれば、極端に少ない。そんな状況において、この『バー千夜一夜』は、とても頼りになるナビゲーションをしてくれる。 少し早い時間だったので、まだカウンターには私ひとりだけ。ひとりのバーは緊張するものだが、この店は、優雅な雰囲気をもちながらも、はじめからなぜか居心地がいい。 バーテンダーさんの接客も、気配りがいきとどいていて、かといって肩肘張る感じはなく、じつに気持ちいい。バーテンダーになって5年というOさん。毎日がお客さんからいろいろなことを教えてもらう日々。感受性の豊かな方だ。 お酒が好きで、人が好きで、この仕事が天職のようだという。話しをしていてとても気分が癒される。ほんの少しいるつもりが、あまりの居心地のよさについつい長居してしまった。 こちらは、2006年12月1日のエントリー「渋谷の大人の隠れ家バー Adonis(アドニス)」の一文だが、作者が初めて訪れたバーで、穏やかな気持ちになり、そして癒されていく情景が実によく伝わってくる。ここには、営業時間や料金などしか記されていない紹介文では決して知ることのできないバーの“情報”が詰まっている。 バーテンダーさんのおすすめでモルトウイスキーを。つまみにだしてくれたのは、ちいさく切ったチーズ。フランスのジュラ地方の「コンテ」という美味しいチーズだ。しかも、1年熟成のもの、2年もの、3年ものと、2切れずつ盛ってくれて、チーズの熟成比較である。年数を経るごとに味が深まっていくのがわかる。なんと粋なはからいだろう。 こちらは、2006年11月24日のエントリー「銀座の癒される隠れ家バー ドルフィー(BAR Dolphy)」から抜粋したもの。こちらも、冒頭のチーズの描写などを読んでいるだけでこの店を訪れたくなってくる。 「読んでくれた方から、『記事を読んでこのバー行ってきました』と言われることがやはり一番うれしいですね」とは、作者のお言葉。このように、読者の「行ってみたい」という気持ちを大切にしているからこそ、極上のワンシーンを巧みに描写することができるのだろう。 タイトルが『バー千夜一夜』ですから、やはり目標は1000店制覇ですかね(笑)。ただ、そうなったら、1年365日のうち100日行ったとしても10年かかりますから、まさにライフワークになりますけどね(笑)」と、笑みを見せる酒肴人Mさん。ぜひ、これからもバーの愉しみを、多くの人に伝えていただきたいものだ。 (岡部敬史)
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岡部様
このたびはご紹介ありがとうございました。
酒肴人M(エム)です。
自分のブログがなにか素敵に思えるほど、
素晴らしいご紹介をいただき、大変恐縮です。
これからもコツコツとバーを巡って
記事を書いていきます。
遅ればせながら御礼まで。
投稿情報: 酒肴人M(エム) | 2007/07/31 7:54:01
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