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2009/01/15
《「伝統と格式」的な堅苦しい感じの視点からではなく、「おもしろい、楽しい、気軽に」の視点から「和」の事を追いかけていきます》 こんなスタンスで、「和」にまつわる様々な情報を発信しているのが今回ご紹介する『瑠璃色Tradition -和の暮らしを楽しむブログ-』だ。 「このブログを始める前は、『流行っているから』という理由でいろいろとブログを立ち上げてはみたものの、どれも長続きしませんでした。その理由を考えてみると『テーマをきちんと決めていなかった? そのテーマは本当に自分が好きなもの?』ということに気づいたのです。そこで、長く続けられるテーマとして『和』を選びました」 このようにブログを始めたきっかけを話すのは、作者であるマスダさん。「昔からずっと『和風ファッション』や『和柄アイテム』が好きだったから」という彼が「和」というテーマで綴っている記事の数々が、実に幅広くて面白い。 例えば、日常生活を和装でしてみようという試み「着物を普段着でプロジェクト」。 また、江戸時代の料理本『豆腐百珍』に倣い百種類の豆腐料理を作って食べるという「豆腐百珍を全部作るっ!」。 ややもすると「和」という言葉から感じる「古臭い」「固い」というイメージとは大きく異なり、今の時代の感性で愉しんでいるところが新鮮だ。 また、自身にとって思い出深い記事として紹介してくださった「幕末古写真ジェネレーター公開しました!着物写真が妙にリアルにw 」なる記事も実にユニークだ。 本日「幕末古写真ジェネレーター」なるサイトを立ち上げました。その名の通り、お手持ちの写真をアップロードすればどんな写真でも幕末の古写真風にします。《中略》「幕末の古写真風」というのは、江戸~明治期に撮影されたような古臭い感じの質感を出した写真の事です。 この説明でもわかるように、このツールを使うことで、写真がモノトーンになり時代を感じさせる一枚に変換できるというこの装置。ユーザーが自由に使えるツールは、今のネット社会で大きな反響を得られる要素のひとつだが、この記事に対する声は、マスダさんの予想をはるかに超えるものだったという。 また、2008年5月28日の「世界遺産の熊野古道を着物で歩いたった!」なるエントリーも大きな人気を集めたそうだ。 先日2泊3日で和歌山県に旅行に行ってきました。メインは「世界遺産 熊野古道」を歩く事。全身がリフレッシュするという感覚に久しぶりに浸ることができて心も体も大変喜んでおります。。。 タイトルからもわかるように、この熊野古道を歩く上でのテーマは和装。着物はもちろん足元も雪駄履きというのだから、その意気込みや並々ならぬものがある。また、その和装スタイルと熊野の風景がよくマッチしており、アップされている写真がとても味わい深い。ぜひ多くの方にご覧いただきたい秀作なのだ。 「ブログを初めた頃は、和服を普段着にするとはまったく考えていませんでしたが、ふとした事がきっかけで着始め、今では着物が日常着となりました」 このようにブログを綴るうちに「和」のスタイルにいっそう魅了されたと語るマスダさん。「着物に関してわからないことや失敗談を書き込んでみると、ブログを見てくれた方々からいろんなアドバイスをもらうことも嬉しいですね」と、ネットで発信するがゆえのメリットも、このブログには大きなプラスとなっているようだ。 着物が売れないと和服業界の嘆きを聞くようになって久しい。でも、こういった「和」の新鮮さや奥深さを発信する若い人がいるかぎり、その未来は決して暗いものばかりではないと感じるのだ。 (岡部敬史)
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