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大人のブログ探訪

フィールドからのスケッチ通信

2008/08/07

フィールドからのスケッチ通信

 あれは、6年くらい前のことだっただろうか。家業を廃業して以来、しばらくのんびりと家の中で過ごしていた母が、五十の手習いならぬ、六十の手習いで絵を習い始めた。もともと絵を描くのが好きなことは知っていたが、カルチャースクールに通うことに決めたという話を聞き、驚いた記憶がある。30年以上、ろくに休まず毎日働きずくめだった母は、世間との接点が極端に少なく、人付き合いが得意ではなかったからだ。

 ある意味人間嫌いとも言える母。そんな母は絵を習い始めてから様子が変わった。人一倍出不精だった母が、元気よく出かけるようになったのだ。

 絵という共通の趣味を通して、苦手な人付き合いを克服できたのだろう。腕前も方も少しずつだが上達し、四季折々の絵が家の中を彩るようになった。考えてみると、絵と言うのは不思議なもので、映像や写真よりも強い印象を与えることがある。機械的なシャッターとは違い、書き手が感じた印象が絵の中に反映されているからだろうか。

 都内で室内にこもり、仕事をしているためか、自然を描いた絵を見るのが好きだ。心が落ち着き、仕事で疲れた頭をリフレッシュさせてくれる。自身の絵を公開するブログは数多いが、個人的に気になるブログがある。field_workerさんが運営する「フィールドからのスケッチ通信」である。どこか懐かしい、里山や草花を中心としたスケッチ画を公開しているブログである。

 開設は2007年1月。比較的新しいブログだが、公開当初の絵と比べると構図が大胆になり、非常に精密さになってきているように思える。運営者のfield_workerさんは、母同様、カルチャースクールに通い、絵の腕を磨いているそうだ。今や絵の腕前はかなりなもの。緻密ながら、味のある絵柄はどこか魅入られるところがある。今秋には仲間と新宿の街をテーマとしたグループ展も計画していると言う。

 絵の魅力。それは描き手にも、絵を見る人にも何らかの満足度を与えてくれることなのかもしれない。ブログを通じて自ら絵を描いてみようと思い立つもよし、いろいろな絵を見に行こうと思い立つもよし。自分の感じたままに行動をしてみると、また1つ自分の世界が広がるのではないだろうか。

(原 如宏)



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