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2008/07/24
古墳時代と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。おそらく古墳時代中期に作られた巨大な前方後円墳や、埴輪などの土器や副葬品を連想した方が多いと思う。小・中・高の教科書で古墳時代について習ったことと言えば、各地の豪族が前方後円墳などを作ったことや、仏教や漢字が伝来したことくらい。筆者を含め、一般的に古墳時代の知識は思いのほか乏しい。 今回紹介するのは、思い返せばよく知らなかった古墳時代をテーマとするブログ「装飾古墳今昔紀行」である。毎日いろいろなブログを見ているが、このブログを開いたときに目がとまった。目をとめた理由の1つは、ブログのタイトルにある。単なる古墳ではなく、“装飾古墳”と限定している意図が非常に気になったのだ。そもそも装飾古墳と言われても、どういうものなのかイメージすらわかない。 ブログを開設した2005年2月の記事から読み始めてみると、だんだん興味がわいてきた。タイトルにある装飾古墳とは、前方後円墳のような古墳の形で分類したものではなく、内部に壁画や線刻や彫刻で装飾されている古墳のことを言う。数は全国で600基ほど。古墳全体に占める割合は1パーセントほどしか無く、その多くが九州地方で発見されているという特徴がある。 ブログの筆者、蕨手(わらびて)さんは、中学生のときに装飾古墳のことを知り、30年以上も装飾古墳の観察や調査をしている。そこまで魅せられたのは、印象的な装飾古墳との出会いがあったからだ。 熊本県山鹿市に「チブサン古墳」という装飾古墳がある。大正11年に国の史跡に指定された、装飾古墳を代表する1基である。古墳時代後期に作られたもので、壁面には鮮やかな朱(赤)と黒、白の三色を使って三角形や円の模様が描かれている。 中でも丸印の中央に点を打ったような二重の円文が、印象的。目玉のように見えたり、もしくは女性の乳房のようにも見えたりする。ここまで話すと、チブサン古墳という名の由来が分かるだろう。実際、このチブサン古墳は「乳の神様」として今でも信仰されているのだ。
(原 如宏)
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