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2008/07/31
日本における二大メジャースポーツといえば、やはり野球とサッカーであろう。 この両者をファン層という視点で比較してみると、「野球ファンには年配層が多く、サッカーファンには若年層が多い」。ちょっと大雑把にまとめすぎかもしれないが、こんなことが言えるかもしれない。 この「45歳以上の大人向け」というコンセプトの「セカンドステージ」の読者にも、やはり「サッカーより野球」という方が多いのではないだろうか。 こういった特徴が現れる要因のひとつにネットメディアとの接し方があるのでは――最近、このように思うようになった。 一般的な野球ファンのメディアとの接し方は、試合は家庭のテレビで。そして、試合結果のチェックも同じくテレビで放送される深夜のスポーツニュース。そして贔屓のチームが勝てば、翌朝、出勤時にスポーツ新聞を買って詳細な情報を収集する。こういったパターンが一般的であろう。 一方、サッカー(ここで言うサッカーとは代表戦や海外リーグではなく、日本国内のJリーグについてということにする)に目を向けると、試合はテレビといっても、そのほとんどが衛星放送(有料放送を含む)が主となる。 そこで地上派しか見られないファンは、視聴可能なサッカーバーに行くか、ネット上で有志が情報を提供してくれる「文字情報による実況」でなんとか臨場感を得ようとがんばる。 そして、試合結果のチェックであるが、テレビのニュースなどでは、ややもすると簡単な結果だけしか知ることができないので、ここでもネットニュースをチェックする。また、翌日の新聞を見ても、なかなか詳細な記事には出会えない。そこで、試合を見に行ったファンが発信するブログを巡回して回る。 このようにまだ一般メディアではサッカーファンが望むほどの情報が提供されていないので、彼らはあらゆる局面においてネットの情報に接していくことになる。 こういったネットを中心とした情報収集ができれば、サッカーの楽しさは飛躍的にアップする。若年層、とくにヤングサラリーマンと言われる20代、30代にサッカーファンが多いのには、こういった背景があるように思えるのだ。 ただ、野球ファンなどの門外漢からすれば、ネット上のスポーツ情報など、テレビや新聞の情報に比べれば些細なもの――。こう思っている人も少なくないだろう。 ところがどっこい。インターネットという“しがらみ”がない場所で発信される情報は、実に刺激的、かつリアルで趣のあるものが多いのだ。 そんなネット上のサッカー情報の楽しさが凝縮されているのが、今回ご紹介する『サポティスタ』なるブログだ。「サッカー瞬間誌」と題されたこのブログでは、サッカーにまつわるあらゆる情報が集められているいわばサッカーニュースのリンク集といった様相を呈している。 そのリンク先はJリーグの公式サイトや、各スポーツ新聞はもちろんのこと、スポーツジャーナリストが綴る試合レポート、個人のブログ、果ては「2ちゃんねる」のスレッドまで、実に幅広い。 なかでも面白いのは、やはりブログなどを使った市井の人の発信だ。 北京オリンピックに向かうメンバー18人が発表された。主な批判は 例えばこれは、8月に行なわれるオリンピック代表選考に関する個人ブログにおける論評の一部だが、自由闊達な文章が読んでいて実に面白い。 こういった面白さというのは、テレビや新聞にはないものだ。「サッカーは第一義にファンのもの」。こんな想いのファンが、サッカーというものを使って自由に意見を述べ合っている状況には、単なるスポーツを楽しむ以上のエンターテイメントが詰まっているように思う。 「サッカーを見るのは代表戦だけ」。こんなファンには、ぜひネット上のサッカー評論も含めて楽しんでみてもらいたい。きっとボンヤリとテレビで野球を見ていたときとは、異なる面白さがあるはずだ。 その入口には、この「サポティスタ」が一番ふさわしいと思うのだ。 (岡部敬史)
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