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大人のブログ探訪

このわた くちこ・能登半島の幸寿し BLOG

2007/05/17

このわた くちこ・能登半島の幸寿し BLOG

 今回、ご紹介するブログは、能登半島で寿し店を経営する橋本さんが綴る『このわた くちこ・能登半島の幸寿し BLOG』である。

 「私は今年の11月で54歳になりますが、3年前まではパソコンにも触ったことがありませんでした。それが、2003年に能登空港が開港したのをきっかけに、パソコンを習って店のホームページを作りました。まさに『50の手習い』でしたね。ブログもその延長で作ったものです」

 新しくできた空港を使って旨い魚を食べに来て欲しい。そして、少しでも能登半島の宣伝の手助けになればという想いから、インターネットを始めた橋本さんは、ホームページやブログを使って、様々な能登半島の魅力を発信してきた。例えば、そのひとつに「雪割草」がある。

 昨日は珍しく天気が良かったもんですから、午前の仕事が終わってから猿山まで出かけて行きました。雪割草の写真撮影が目的です。(中略)
猿山灯台の入り口付近の上の方に赤の雪割草が多く見られます。
灯台の方は白の雪割草とキクザキイチゲが多いです。
雪割草もきれいですけど猿山から見る日本海がまたいいです。
気持ちがいいですね。この海を見るだけでも値があります。
 (2006年04月07日のエントリー「猿山灯台・雪割草便り」より)

 実際に写真を見ていただければわかるが、雪割草の表情はとても美しい。毎年、雪割草が咲く春になると、このブログに写真がアップされるのを楽しみにしている人も少なくないというのも頷ける話である。

 しかし、今年は、この雪割草の写真を載せることができなかったという。それは、2007年3月25日9時42分にこの地を襲った地震が原因だった。

今日、9時42分頃、大きな地震が、能登半島を中心に発生しました。
能登・石川県・富山県の皆さん、大丈夫でしょうか・・・。
幸寿司、店の中はもうグチャグチャで、ひどい状態です。
ネット注文、出前注文されたお客様には、ご迷惑をおかけします。
営業できる状態になりましたら、ご連絡いたしますので、よろしくお願いします。
(2007年03月25日のエントリー地震より)

 これは能登半島地震が起きた日のエントリーだが、ご覧のように橋本さんのお店も大きな被害を受けた。それゆえ、毎年の恒例だった雪割草の撮影にも行けなくなったという。

 しかし、もう地震から1カ月以上が過ぎた。そしてテレビや新聞などでもあまり地震のニュースを見かけなくなった今、「そろそろ復興も近いのかな?」と思う人もいるかもしれない。だが、そんな状況には程遠いようだ。

 「全国テレビの報道では、輪島市門前ばかりが報道されているようですけど、私が住む穴水町を含めて被害の深刻なところはたくさんあります。穴水町駅前では15軒くらい家を潰しました。まだまだ潰す家は残っています。ただ、重機が入れない家がたくさんありますから手作業になると思います。また、仮設の住宅の建設は徹夜で行われています。5月の上旬に出来る予定です」

 ブログで復興の状況もアップしている橋本さんは、現在の状況をこのように話す。まだまだ、復興には程遠い。いや、復興は、これから始まるといっても過言ではないのだ。

 このような状況で私たちに何ができるだろう。そう考えたとき、実は観光に行くのが良いという話を耳にしたことがある

 新潟中越地震の半年ほど後、この地を観光で訪れたとき、現地のある方が「みなさんに遊びに来ていただいて、お金を遣っていただいて、この地を見てもらうのがいちばん嬉しい」とおっしゃっていた。もちろん、復興作業で忙しいときに、物見遊山気分で訪れ迷惑をかけるというケースもあるのだろうが、そういった気遣いをしすぎてその地を訪れることを遠慮すると、かえって被災地の人を苦しめる結果になりかねない。

 「私の個人的な感想としては、観光客の方が能登に来て頂けるのは有難いことだと思います。町が壊滅状態の時ですから、少しでも他県から能登に来て頂ければ良いと思います。そして、この状況を見て頂きたいという思いもあります」

 この件を橋本さんに聞いたときにいただいたお返事である。やはり、みんなで能登に行こうというのは、ひとつの復興支援になると思う。

 2007年04月22日のエントリー能登半島地震の写真などを見ても、復興作業は、まさにこれから始まるといった様子がひしひしと伝わってくる。僕たち個人の力では、大きな役に立てないかもしれない。しかし、この地を観光で訪れたり、この橋本さんのブログを紹介して、みんなに能登のことを知ってもらうだけでも、ちょっとした力になるのかもしれないと感じた。

 「これからのブログの目標は、この地震で少し変わりました。少しでも能登半島復興の手助けになれるように頑張ってブログを書いていきたいと思います」

 こう橋本さんは語る。僕は、少しでも多くの人にこのブログを見てもらえるようにしていこうと思っている。がんばれ!能登半島!

(岡部敬史)



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