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2006/11/02
早朝，空がうっすらと明るくなると窓の外がにわかに騒がしくなる。騒ぎの元は野鳥だ。近くに公園があるせいだろうか。元気な鳥の声が家の中にいても大きく聞こえる。1羽が鳴きはじめると，呼応するように2羽，3羽と鳴きはじめる。そんな鳥たちの朝のあいさつは2，30分ほどは続き，パタリととまる。思えばなんと不思議な光景だろうか。 鳥たちの声に耳を傾けてみると，鳴き声には表情（種類）があることに気づく。鳥を飼っている人なら常識なのかもしれないが，これまであまり接点の無かった筆者には驚きだった。カラスは鳴き声で仲間とコミュニケーションをとっているそうだが，そのほかの鳥も声は大事な連絡手段なのかもしれない。 声を気にしだして以来，ベランダへとやってくる鳥たちの顔をコッソリ覗き見ている。観察してみると声だけでなく表情も実に豊かである。普段はすました感じの表情が多く，クールビューティーといった趣なのだが，つがいのような2羽が寄り添っているとき，表情が変わったように見える。一瞬しかみせない変化だが，実に楽しそうなのだ。 もちろん鳥たちの本心はわからない。一連の行為は，鳥たちの日常を擬人化して捉えているだけなのかもしれない。だが，自分たちの側で力強く生きている鳥たちに目を向けることで，1つ楽しみが増えた。物事に興味を持つ機会が減っていただけにうれしい出来事だったのだ。 今回紹介する「気ままに華鳥酒虫」は，山野や水辺の鳥たちを写真で紹介しているブログである。鳥たちの凛とした姿から，愛嬌あるしぐさまで巧みに写真で捉えている。一瞬しか見せない表情を撮るために，大変苦労されていることだろう。鳥への愛情が写真から感じ取れる。読み進められると，読者諸氏も近所へ鳥の姿を求めて足を伸ばしたくなるだろう。 日本列島が冬を迎えると，越冬のためにいろいろな鳥が姿を見せる。近所の公園には池があり，毎年カモたちがやってくる。もともと愛くるしい鳥だけにどんな表情を見せてくれるか。とても楽しみである。 （原 如宏）
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