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サイトデータ山田香織の盆栽日記 New!

2006/10/26

サイトデータ山田香織の盆栽日記 New!

 さいたま市で「盆栽論争」なるものが起こっているのをご存知だろうか。さいたま市の大宮地区というのは,全国でも屈指の盆栽職人が集う街で,「盆栽町」なる地名もあるほど,盆栽と縁が深い土地だという。

 そこでさいたま市は,盆栽を町のシンボルとして盛り上げようと,栃木にある「盆栽美術館」が閉鎖されるのに併せて,そのコレクションを税金5億円で買い取り保存することで,街起こしをしようと考えたわけである。

 これに対して,「税金を盆栽に遣うなんて……」という反対意見もあれば,「盆栽は『BONSAI』として世界語にもなっているほど,日本が世界に誇る大切な文化。日本一の盆栽の街がそのコレクションを大切に守ることは非常に有意義」と推す声も強く,まさに喧々諤々の「盆栽論争」が巻き起こっているのである。

 さて,この問題を考える場合,5億円の税金を遣うわけだから,慎重な議論が必要になるのは言うまでもないこと。ただ,その議論を重ねる上で,多くの人が「盆栽の魅力。真の姿」を知ることは,必要不可欠だと思う。

 盆栽には,『古くさい』『お金がかかりそう』などのネガティブな固定観念があり,大変損をしていると感じています。そこで,そういった固定観念を打ち破りたい。また,もっと多くの人に盆栽を身近に感じて欲しいと思って始めました。」

 このように自身のブログ「山田香織の盆栽日記 New!」を始めた動機を語るのは,作者である山田香織さん。このブログを素直な気持ちで見ていると,彼女の言葉にもあるような「盆栽=古くさい」という観念は,まったく思い浮かんでこない。とてもスタイリッシュで,趣のある情景だからだ。

 「清玄」(せいげん)モミジの盆栽です。
黒いバックに浮かび上がる新芽の様子は
こうして見ると,着物の柄のように見えませんか?
夜桜ではなく,夜のかがり火に映えている
モミジのようにも見えませんか?
春の一時期,この木が主役になりました。

 例えば,そんな盆栽の姿が見られるエントリーとして,06年4月26日にアップされた「春の夜に」という記事をご覧いただきたい。おそらく「盆栽」というものにあまり接してこなかった人こそ,この姿に見とれてしまうのではないだろうか。このブログで発表されている,盆栽のいろいろな姿を見ていると,改めて「盆栽論争」に必要なのは,盆栽の魅力,正しい姿を知ることだと感じる。

 「今後の私の目標は,海外の方との交流です。ブログでも,アメリカ在住の方などからコメントいただくことがあり,とても印象に残っています。盆栽というのは日本の文化ですが,海外から逆輸入することで新たな気づきとなればと思って活動していきたいです」

 これは,これからの目標を語る山田さんの言葉だが,このように盆栽の魅力には海外の人のほうが気づいているという一面もあるようだ。例えば,06年5月16日の「アメリカから」という記事 を読めばより強くこの事実を感じることができるだろう。

 今,盆栽の本当の姿を知っている人は小数派だと思う。私も盆栽のことは,ちっとも詳しくないし何の知識もなかったが,このブログを見ていると,単純にきれいだし,大切にしたい文化だと思った。前述の「盆栽論争」においても,少なくとも議論する人は,盆栽の正しい姿を知った上で,大切な税金の遣い道を検討して欲しい。この美しい盆栽たちを見ていると自然とそう思うのだった。

(岡部敬史)


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