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2006/03/09
東京湾から連想する言葉は何か。食いしん坊な筆者は,当然ながら「江戸前寿司」と答えてしまう。寿司ネタの中でもアナゴは江戸前が一番と思っているからだろう。そんな江戸前の海の幸で我々の舌を喜ばせてくれるのが,東京湾で漁業を営んでいる漁師さんたちだ。 しかし残念ながら漁業に携わる人は,平成に入ってから年々減りつつけているという。後継者不足と高齢化によって引退される漁師さんが多いのだろう。 今回紹介するのは,そんな東京湾で現役の漁師をされている東京湾海人さん。冬は海苔の養殖,夏場は主にアサリやアオヤギを捕る生活を続けている。今はちょうど海苔の収穫時期にあたる。今や数少なくなった東京湾での干潟周辺に養殖用の網を張り,月日をかけて育った海苔を収穫。陸に上がったら収穫した海苔を加工して,食卓を飾るおなじみの海苔を生産している。 東京湾で海苔と言えば,浅草海苔を連想される方が多いだろう。浅草海苔とは,江戸時代に浅草周辺で生産されていた「浅草紙」の技法を応用して作られたほぼ正方形の乾海苔のこと。今でも一般的な海苔の形である。 当時と今の海苔で違うのは,使われている海苔の品種。浅草海苔には文字通りアサクサノリという品種が使われている。もっとも1960年頃までは,海苔養殖と言えば東京湾から有明海までアサクサノリが使われていた。しかし現在は,同じ海苔でもスサビノリ(ナラワスサビ)が使われている。色が黒くて艶やや。病気にも強いという品種である。東京湾海人もナラワスサビを育て,江戸前海苔として東京湾の味を保っている。 東京で生活しているとたまに見かける東京湾だが,それは陸から見る姿に過ぎない。海に入ってみると,本来海が持っている豊かな面が見られるものだ。ブログを開設してちょうど1年がたった。漁師目線でつづられた東京湾の姿として,アサリ漁の最中に捕ったバフンウニや耳慣れない貝などがいくつも紹介されている。東京湾という身近な海に新鮮な驚きを与えてくれた。わずかに残る東京湾の自然。今のまま維持していく大切さを改めて感じる。 (岡部 敬史)
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ご紹介 ありがとうございます。
私のブログをよく読んで コメントしていただきまして ありがとうございます。
もっと もっと 興味を引くように頑張りますので よろしくね。
投稿情報: 東京湾海人 | 2006/03/15 21:59:08
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