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大人のブログ探訪

『ぶらり東京~23区巡り~』

2008/04/17

『ぶらり東京~23区巡り~』

 長年住んでいて思うのだが、東京という街は、実にいろんな顔を持っている。

 流行の発信地でありながら、伝統が根付く場所でもある。世界有数の人口密集地でありながら、木々に囲まれた大自然もある。人工的な埋立地もあれば、角を曲がるたびにその坂や社に伝承が残るような土地もある。

 しみじみ思うけれども、歩けども、歩けども飽きない街だ。

 そんな東京の魅力を存分に紹介しているブログが、今回ご紹介する『ぶらり東京~23区巡り~』である。

 「もともと東京を“ぶらり”して写真を撮るのがライフワークでした。それで、日記代わりに記録しておくためと、自称“東京観光大使”としてより多くの人に東京の良さを知ってもらえればと思ってこのブログを始めました。東京にまつわる様々な記事を書くうちに、自分のなかでの東京に関する知識が格段に増えたこと。そして、コメントなどを通じ同じ趣味の方と出会えたことが、何よりも楽しいですね」

 このように語るのは、このブログの作者である「ぶらり東京」さん。では、さっそくこのブログで紹介されるユニークな東京記事のいくつかをご紹介しよう。

本日(2/17)は第二回東京マラソンが開催されました。
走るのは大の苦手なこともあり歩くことで国民的イベントに対抗してみました。
さて、どこを歩いたかと言うと地下をモグラのように地下鉄駅構内ぐるっと一周ぶらりしてみた。地下鉄で切符を買わずとも駅構内を移動できるところがいくつかある。
その最大級のエリアにチャレンジです。スタートは千代田線・大手町駅一度も外へ出ることなくここへ戻ってきます。

 こんな導入で始まるのは、「東京モグラウォーク」(※下記注1)と題された記事。このように切符を買わずに地下道を歩いたならば、どれくらいの場所を巡ることができるのか――。こんな大変興味い散策の記録には、「へぇ」と思うような東京ネタも数多い。

次の駅は二重橋前駅。平行に走行しているのに千代田線のみの駅となっています。
地味目な印象を持たれていますが実は使い勝手のちょー良い駅なんですよ。
駅を出れば目の前に東京駅があり丸ビルなどにも直結しています。
《中略》
駅名に異議あり。二重橋前と名乗りつつ二重橋までは相当の距離がある。
いっそのこと「丸の内」「丸ビル前」なんてのに改名したほうが良いのにとついつい思ってしまいます。

 このように紹介されている「二重橋前」なる駅。初めて知った人もいるのではないだろうか。探索する楽しみを綴りながらも、こういった豆知識も得られるのが、なんとも楽しいのだ。

 また2008年03月30日2008年04月04日の2回に渡ってアップされた「夜桜巡り」なる記事も王道のネタながら、実に読み応えがある。

今の六本木七丁目はその昔、麻布龍土町と呼ばれていました。
六本木の喧騒をよそにひっそりと階段のある路地に出る
桜の木がまるで家の中から生えているように見える面白い風景である

 なかでもこのように紹介されている「龍土町の階段」などは、とても趣のある情景。夜桜と一言でいってもいろんな表情があることを教えてくれる。

 また、こんな遊び心溢れるエントリーも楽しい。

浅草にある吾妻橋から見える景色は一度見たら忘れられないオブジェがあります。
アサヒビールのビルにある「炎のオブジェ」です
形が一風変わっている為写真に撮る人が目立ちます。
色・形からして中にはウ○コなどと表現する人も多いんですよ。
《中略》
そして今日はこどもの日なのでこどもが喜びそうなおふざけ写真を!
ウ○コを手にのっけてしまいました(笑)

(2006年5月5日のエントリー「こどもの日」より)

 実際に写真を見てもらえればわかるのだが、手の平にアサヒビールのオブジェを乗せているかのように写真を撮っているのだ。東京という街をネタにこういった“おバカ”な発想が浮かぶところがなんともユニークなのだ。

 フリーペーパーなどが隆盛している昨今、東京の街情報は、あらゆるところに溢れかえっている。しかし、広告主導で作られる情報は、どこか画一的で面白みに欠ける。街が主役ではなく、お店が主役なのも、どこかマンネリだ。そんな中、こういった個人発信のブログは、街が持つ新たな魅力に気づかせてくれる。手作りの雰囲気がとても新鮮だ。これからもずっと続いて欲しい個人メディアって、こういうものだなぁと、この『ぶらり東京~23区巡り~』を見ていてしみじみ思った。

(岡部敬史)

(※注1)「東京モグラウォーク」は、2008年2月17日の「東京モグラウォーク(1)」と2008年2月21日の「東京モグラウォーク(2)」の2回に渡って掲載されている。



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