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2007/04/05
ブログで読みたいもののひとつとして、よく名前が挙がるのが書評だ。 自分が読んだ本について、他の人がどんな感想を抱いているのか知りたい。また、未知の良書に効率よく出会いたい――。こんな願いを持つ人は多く、個人的に「いい書評ブログはないですか?」と訊かれることも多い。 ただ、全体的に見れば、やはり週刊誌や新聞に掲載されている書評のほうが巧みなのは事実だ。しかし、誰でも発信できるブログにおいては、面白い発信者に出会えるという強みがある。 こと、本の分野においては、書店員が発信する情報がとても興味深い。なかでも『本屋のほんね』は秀逸だ。 本屋大賞全部読みましたが、どの作品も去年ほどのインパクトはなく、今年は投票を見合わせようかと思いはじめました。実行委員の方からのメールで「本屋大賞には該当作無しはありません」というのがありましたが、もし全国の本屋さんが私と同じようにひねくれた人ばかりで、突然全員が投票を棄権するとか言い出したら、やはり本屋大賞も該当作無しとかになるのでしょうか。 でも現実にはそんなことは起こらないと思われますので、改めて予想をしてみます。 これは、受賞作がベストセラーになることでも注目を集めている、書店員が売りたい本を選ぶ「本屋大賞」に関するエントリーだ。我々はいつも決定された受賞作を知るだけだったが、こういった下読み段階のリアルな感想が聞けるのは実に興味深い。 ちなみに2007年の本屋大賞の発表は、4月5日。こういったエントリーを実際に受賞した状況と照らし合わせて見るのも面白いだろう。 また、この『本屋のほんね』には、「勝手に本屋ミシュラン」という人気連載企画もある。 店内にはいってみましょう。13坪のお店なのでどこに何があるかは入口からすべて見通すことが出来ます。このお店にはコミックや学習参考書は置いていません。品揃えはとても上品。店内の雰囲気もどこかしら上品です。そして棚はには必ずオシャレな面陳棚があって、「これは!」という本がさりげなくプッシュされています。 このセレクションが絶妙!わずかしかない売場なのに欲しい本がいっぱい見つかってしまうのです。すごい!この品揃えの秘密は何なのでしょうか?よく見ると棚の本にはすべてスリップが2枚挟まっています。えーと、これはトーハンの電算スリップですね。すべてのスリップに注文日が表記されています。そう、このキューブリックでは新刊配本を止めて注文したものだけを店頭に並べているんです。したがってお店の主人が売りたいと思って単品で注文を出した本しか店頭に並んでいないというわけ。店のすべての在庫タイトルにご主人の目が行き届いているわけです。しかも高いレベルで管理されているらしく、スリップの日付にほとんど古いものがありません。レジもちゃんと単品管理されたWEBPOSを使用しています。
このように作者が気になった書店に赴き、それをプロの目線から分析しているわけだ。 こういった専門家の小売店分析は、一般の人にとっても参考になる部分が多く、とても楽しい。ぜひ、他の業種の人にも真似していただきたい好企画だ。 このようにブログで書評を読むのなら、普段あまり読むことのできない裏方の人が綴るものが面白い。他にも編集者や校正マンなど様々な人が発するブログがあるので、興味のある方は探していただきたい。こういったいろんな人たちからの発信が読めることにこそ、個人発信メディアであるブログの魅力があるのだ。 (岡部敬史)
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