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大人のブログ探訪

『超小型ラジコン飛行機研究所』

2007/04/12

『超小型ラジコン飛行機研究所』

 今回ご紹介するブログ『日本隅々の旅 全国観光名所巡り&グルメ日記』は,まずその情報量に驚かされる。

 全国各地の観光名所やグルメ情報はざっと数えただけでも軽く500を超えるし,設定された旅のテーマも「桜の名所を巡る」「古い町並みを巡る」「国宝建造物を巡る」「東海道五十三次」など16を数える。データの量が多いだけでなく,利便性も高いのだ。

 「旅行が趣味で,いろいろ出かけているのですが,時間が経つと行った場所や,おいしかった食べ物についての記憶も曖昧になってしまいます。自分自身の備忘録として,またそれがこれから旅に出る方の参考になればと思って始めました」。このように語るのは,このブログの作者である「けんけんけん」さん。撮りためた各地の名所などの写真だけでも4万点以上あるという氏に,オススメのスポットを紹介してもらうことにした。

 まず,名前が挙がったのが,埼玉県幸手市にある権現堂桜堤だ。

<権現堂桜堤について>
権現堂は桜の名所として名高い場所です。
大正5年から桜の木が植えられ,桜の名所としてにぎわいました。
戦後,伐採されたが,昭和24年に3000本の苗木を植え付け,現在も1000本のソメイヨシノが残る。昭和63年には菜の花の植え付けも行われた。

<ひとこと>
昨年の春に権現堂桜堤に行ってきました。写真で見て菜の花も咲いている風景が印象的だったのですごく期待して行きました。
大体期待していくと,期待の大きさに逆に「こんなものか~」とがっかりすることが多いのですが,ここは違いました。
「超綺麗!」感動度は非常に大きかったです。一面の菜の花と桜並木のコントラストがすばらしい。

(2006年3月29日「権現堂桜堤」より)

 実際にこの記事にアクセスしていただければわかるのだが,桜と菜の花が織り成す光景は実に見事。作者が「日本一の桜です」と言うのも頷ける情景である。次に名前が挙がったのが,日本で初めてベンガラを生産し,江戸,明治,大正と賑わいをみせたという岡山県高梁市の「吹屋の町並み」。往時をしのぶベンガラ色の町並みが現在も残り,昭和52年に伝統的建造物群保存地区にも指定された場所だという。

「いや~すごい!」
古い町並みをいろいろ見てきましたが,間違いなく全国でも1・2を争う良い町並み(僕の印象で)だな~と思いました。町全体の色が統一され,茅葺きの町並みや土蔵の町並みとは全然違った趣があります。町並みは坂道になっており,上の方から下りながら町並みを散策しました。もう夕方だからでしょうか,それともさっきまで凄い雨が降っていたからでしょうか,観光客の姿は無し。町で歩いているのは僕一人みたいな状況でした。そのおかげで,また良い雰囲気を独り占めできて感動も増しました。

(2006年9月4日「吹屋の町並み」より)

 こちらの町並みの写真も実に味わい深く,どこかの映画のワンシーンを想起させる風景だ。このようにオススメとして紹介していただいた場所は,どちらも大変素晴らしい。しかしながら,私の無知ゆえという側面ももちろんあるのだが,恥ずかしながら両者とも名前すら知らなかった。

 ただ,ここには「大手観光関係のブログとは違った視点で日本全国の名所や穴場を紹介していければ良いなと思っています」という運営者の想いがある面もあるからだろう。

 今の世の中には,情報が氾濫しているようで,実はその情報にはかなりの隔たりがあると思う。ある場所が人気を博すと,あらゆるメディアが一斉に報じる。このため情報の絶対量は多いのだが,独自性のある情報というのは,実は少ない。

 そんな状況において,こういった市井の人が,自身の体験をベースにきっちりと情報を提供してくれるなんて,実に有益だと思うのだ。

 「やはりお店の紹介記事を書いて,実際にその店の方からコメントを頂いたりしたことですかね。茨城県笠間市の『つたや』さん。埼玉県小鹿野町の『鹿の子』さん。福島にある宝泉寺住職の代理人さんからは,住職が私のブログを見て大変喜んでいたというお話をお聞かせいただきました。埼玉県小鹿野町の『喫茶昭和』では,私が座った席の脇の壁に私のブログを印刷したものが貼られていて,驚いた覚えがあります(笑)」

 ブログにおける印象深い思い出を尋ねたらこんな話をしてくださった。読み手が楽しいだけでなく,取材された側も喜んでおられる。なんとも素敵なブログだなぁ。

(岡部敬史)



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