原稿を書いているのはもうすぐ2006年が終わりという頃。毎年のことだが年の瀬になると,今年も様々なことがあったなぁ…としみじみ考えてしまう。そして,せめてお正月くらいはゆっくりしたいと思うのだ。
海外に脱出するのもいい手だが,本当にゆっくりしたいなら自宅が一番である。買っただけになっていた本を肴に,昼間から酒を飲む。あとは細君に小言を言われない程度に気を配っておけば,きっと有意義な日々が送れるだろう。ふと思い出したようにテレビを付けてみる。年末年始のテレビ番組といえば各局とも特番の連続である。もともと騒がしいテレビ番組は苦手だが,たまのひととき,お笑い番組を観るのも気分転換には良さそうだ。
この数年,お笑いブームといわれている。80年代に漫才ブームが起きたものの,それ以降はブームといえるような状況はなかった。今のお笑いは正統派の漫才コンビは少ないが,世の中の不満,おかしな部分を巧みにネタに取り入れていてる。戦後最大の好景気といわれながら,庶民感覚ではまったく実感を持てない。そんな気持ちのギャップ(違和感)を,お笑いという慰みで埋めているのかもしれない。
たまにお笑い番組を観ると,どうも顔と名前が一致しない芸人さんがいる。芸と名前が一致しない芸人さんもちらほら出てきた。これではいけないと思い立ち,気になった芸人を調べていたとき,とあるブログに出くわした。それがteruminart2336さんの運営する「笑いのレポート」だった。
笑いのレポートは,お笑い芸人の似顔絵を掲載しているブログである。鉛筆のみのデッサンだが,芸人さん一人一人の特徴を巧みにつかんでいる。絵は写真より強い印象を与えることのできる芸術である。過去に掲載した似顔絵を逐一みていくと,先ほどテレビ番組を観ながら思わず笑ってしまった芸人さんと再会。記事では似顔絵の横に,芸人さんの紹介文が添えられていた。短文だが,芸人さんの人となりが理解できるのがうれしい。
今にもこちらを笑わせてくれそうな,お笑い芸人の似顔絵。teruminart2336さんの画力はすばらしいが,それ以上に1枚1枚に愛情が込められて描いている姿勢に感じ入った。年末年始,お笑い番組に目をとめられた方に,お勧めしたいブログである。