「若かりし頃は,インテリア好きの王道である"クールなモダン家具"が好きだったのですが,最近はすっかり"JUNK STYLE"にはまっています。それで,中古家具屋やら古道具屋やらを巡るのが趣味になったんですよ」
こう語るのは,今回ご紹介するブログ『FallingWater 中古家具屋巡り』の作者である「市朗」さん。彼が話す「JUNK STYLE」とは,インテリア分野で100年に満たない家具や生活道具のことを指す言葉で,「年数的にアンティークまでいかないもの」。あるいは「ガラクタ」という意味合いもあるそうだ。
「それで"中古家具屋巡り"をテーマにしたWebサイトを作ろうと思っていたのですが,なかなか制作時間が取れなかった。そんなときブログが流行りだしたので,とりあえず作ってみたのがこれなんです」
市朗さんは,このブログのなかで,数々の中古家具屋を写真入りで紹介している。そんななか「お気に入りのお店を教えてください」と尋ねたところ,以下の2つを挙げてくださった。
まずは,大阪の家具店『 TRUCK FURNITURE 』。
記事内では,市朗さんが購入した「バッファロースツール」と「ナラのローテーブル」が紹介されているが,素人の目から見てもなかなかのセンスを感じる一品。雰囲気も素晴らしく「大阪の人がうらやましい」と思うほどのお店なのだとか。
もうひとつは,二子玉川のアンティーク雑貨『 Colors 』。
Junk & Rustic(素朴な)がテーマなお店だけあって,ジャンクな品々が目白押し。 ホームページを見ていただいてもわかりますが,オリジナル家具や金物,アンティーク小物,ガーデンニンググッズ,ホーロー食器等,多彩なアイテムが揃っています。
そんな中,隅々まで丁寧に見ていると,色々変わったものが置いてあるんですよー。 今回,とくに気になったのは,"古びた英文レター等の詰め合わせ"。
「なんだ,それ?」と思うかもしれませんが,要はディスプレイ用に,古い英語の手紙やら新聞やらの紙片が何十枚と詰め合わされてパッケージになっているんですね。
たしかに,ジャンクな小物の写真を撮るときにそういうモノと一緒に写すとサマになるんですよねー。便利です。
このように中古家具に特別興味のない人でも覗いてみたくなるレポートが面白い。
「自分にとっては当たり前だったり,どうってことないことでも,ブログに掲載することで人の役に立てることもあるんだなーと知ったことは,新たな発見でしたね。あと,マニアックな趣味であっても同じ趣味嗜好の人が見つかることですね」
「ブログを始めて楽しかったことは?」と尋ねてみると,こんな答えが返ってきた。どちらも何気なくブログを始めてみた多くの人が感じる喜びではないだろうか。
自分一人でも充分楽しめる趣味であっても,ブログで発信することで,より一層その楽しみが深くなる。そんなことを,このブログは教えてくれるような気がする。
そんな市朗さんのこれからの夢は,「いつかフランスの蚤の市とか,アメリカのジャンクショップも紹介したいですね」と世界に向いているようだ。
(岡部敬史)