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2007/03/08
みなさんは「青ヶ島」という場所をご存知だろうか。 伊豆諸島の有人島では最南部に位置するこの島は、東京のど真ん中から300キロ以上離れているが、東京都に属している。もっとも人口の少ない行政区分として有名で、その数は、06年7月1日の統計だと、わずか192人だ。 僕がこの島の名前を初めて見たのは、選挙の結果を報じた新聞だったように記憶している。200人ほどの人口とはいえ、それ自体が行政区分ゆえに、「千代田区」や「世田谷区」と並んで「青ヶ島」の名前が出ていたのだ。初めて見たときから「どんなところだろう?」と思っていた。それが今回、とても素敵なブログに出会うことができて、この島の空気を感じることができた。 「東京でOLをしていた私は、5年前に青ヶ島にお嫁に来ました。しかし、家族や知人は、この青ヶ島のことをほとんど何も知らなかった。そこで、自分の近況報告を兼ねて青ヶ島のことを伝えたいと思いこのブログを始めました」 こう話すのは、今回ご紹介するブログ『青ヶ島に暮らす+++1/200のシンプルライフ+++』をつづる管理人のaura*さんだ。彼女は、「青ヶ島の風景」といったコンテンツで青ヶ島の美しい情景を伝えている。 内地では、紅葉の季節ですね。青ヶ島では紅葉狩りは出来ませんが、黄緑・緑・深緑の自然の樹木の美しさ、水色・青色・紺色の海の美しさ、白い雲と済んだ空の美しさを感じることが出来ます。紅葉もとても素敵ですが、この大自然の美しさは青ヶ島の贅沢だなと思います。 東京から300キロと言われても今ひとつピンとこないだろうが、11月の紅葉の季節にも関わらず真っ青な海を湛えた情景を見ると、やはり同じ東京とは思えない。そこからは、南国特有の空気が感じられる。 「青ヶ島の花・植物など」というコンテンツは、よりこの地方の自然にスポットを当てたものだ。 「今日の青ヶ島は、ほとんど1日雨でした。1日家の中にいるとちょっと疲れます(^^;)午後になり霧は晴れ、雨も弱くなってきたので、きくらげを採りに外に出てみました。畑のぐみの木にたくさん出来ていました。5月はお天気が悪い日が続いたので、本格的にきくらげは成長してくれました。これから梅雨にかけてたくさん出来るでしょう」 この後、採ったきくらげで作られた「きくらげと小松菜(青ヶ島産)のオイスターソース炒め」が、とても美味しそう。豊かな自然と暮らす様が、とてもよく伝わってくるのだ。 また、「青ヶ島の出会いと別れ」という心に響くとてもいいコンテンツもある。 「今日体育館建設のため勤務されていた、建設会社の所長さんが離島されました。これで体育館建設関係者は、全員の方が離島されました。お仕事で青ヶ島に来られている方々とは、その完成と共にお別れが近づいてきます。私達島民が末永くそれらの施設を大切に思うことで、感謝の気持ちをお伝えできればと思います」 2006年の青ヶ島では、体育館の建設が行なわれていた。その建設のために島に来ていた関係者との出会いと別れも、小さな島にとっては、とても大切な出来事。そんなシーンの大切さが実に上手に描かれている。 aura*さんも「こういった出会いと別れは、小さな離島ならでは……という気がしますので、特に力を入れている部分ですね」というように、島で暮らすということのリアルな部分が実によく伝わってくる。 きれいな島の風景などは、それを伝える観光サイトやガイドブックで知ることができる。しかし、島で暮らす人たちの心情や体験などは、今までなかなか知ることができなかった。それがブログの出現で、リアルに知ることができた。 実に貴重なことだと思う。 「自分の住んでいる青ヶ島を見つめる良いきっかけになりました。また、今まではそんなに強い思いもなかったのですが、縁あって住み始めた島をもっと知りたいと思えるようにもなりましたね」 このようにブログを綴る楽しさを答えてくれたaura*さん。ぜひ、これからもこのブログを続けていただきたいなぁ。きっとこれから先、幾人もの読者がこの島を訪れることになるような気がするもの。 (岡部敬史)
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