このページの本文へ
ここから本文です
最新のコメント
最新のトラックバック
最新のエントリー
大人のブログ探訪

ゆっくり走ろう長い道

2008/04/10

ゆっくり走ろう長い道

 平安時代から続いている「西国33カ所巡礼」。近畿2府4県と岐阜県に点在する33カ所の観音霊場を巡る旅である。春の観光シーズンに入る少し前となる3月中旬、両親の付き添いとして久しぶりに神社仏閣巡りをしてきた。なかなか心に残る思い出となった。帰宅した後も、両親のように西国33カ所を回っている方々のブログを見ながら、巡礼の行程を頭の中で追体験してしまったほどだ。

 数あるブログの中でも特に共感したのは「ゆっくり走ろう長い道」である。管理人のszsatoさんは、フルマラソンの約2.5倍、100キロもの距離を走るウルトラマラソンに挑戦しているすごい方。 その健脚ぶりを大いに発揮し、西国33カ所を交通機関に極力頼らない“徒歩巡礼”に挑戦したのだ。

 一般的な巡礼ブログとの違いは、お寺についての感想だけでなく、お寺までの行程が随所に織り込まれていること。考えてみると、旅は目的地もさることながら、目的地へと向かう行程が面白いものだ。ましてや巡礼となれば、その行程は信仰心を培う重要なものだったに違いない。

 今回、親と訪れたのは20番札所「善峰寺」である。ブログでは「西国三十三ヶ所巡り弟6弾」に行程の話が出てくる。

 善峰寺までは阪急京都線の東向日駅で下車し、さらにバスで30分。山の中腹に建つお寺である。長元2年(1029年)、比叡山の源算小人によって開山。善峰寺という寺号は、長元7年(1034年)に後一条天皇から賜った。広い境内には、目を見張るような山門と本尊の十一面千手観世音菩薩像を祀った本堂、徳川吉綱が厄除けのために寄進した「つりがね堂」(厄除けの鐘)や松の木が連なって植えられている「遊龍の松」(天然記念物)、重要文化財に指定されている多宝塔など多数の見所がある。

 境内を一通りお参りした後、バス停に戻ると次のバスが来るまで1時間近くもあるという。善峰寺へと向かうバスは、繁忙期以外は1~2時間に1本程度しかないのだ。普段ならバスが来る時間まで暇をもてあますところだが、今回は散策かたがた次のバス停へ歩いて向かうことした。

 善峰寺のある左京区小塩町は、景観を守るために新規の住宅開発を制限している地域である。昔ながらの風景が今なお保たれていて、散策するのにはもってこいなのだ。少し脇道に入ると、車とも人とも出会わないような竹林がどこまでも広がっている。昔ながらの風景、自然のたくましさに触れ、巡礼の魅力を何倍にも膨らましてくれた。

 szsatoさんのように全ての行程を歩いたわけではないが、お寺の周辺を少し散策してみると、現代風の巡礼にも深みをプラスできるかもしれない。自分の足で感じる巡礼の旅。その魅力の一端をぜひとも体感して欲しい。

(原 如宏)



この記事のトラックバックURL:
https://www.typepad.com/services/trackback/6a0120a66c427e970b0120a66c4421970b

Listed below are links to weblogs that reference


この記事へのコメントは終了しました。



セカンドステージ メール配信開始
サンプルを見る
サイトマップを見る
ブログ記事
セカンドステージ編集部ブログ
  • 実録セカンドステージ
  • セカンドステージ連載一覧

    日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

    ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

    本文へ戻る