切手収集というのは,多くの人が一度は熱中した趣味ではないだろうか。
「月と雁」や「見返り美人」といった単語を見れば,「集めたなぁ」と,昔を思い出す人も少なくないだろう。
このように極めてポピュラーな切手収集という趣味だが,時代が変わって,そのスタイルも大きく変貌しているようだ。
「新しい世代のコレクターに人気なのは,デザインが素敵でおもしろいものが中心です。投資価値や美術的価値の高い切手が人気だった昔とは,ちょっと違う価値観で集めている人が多いと思いますね」
このように話すのは,自分の切手コレクションの分類と記録のためにブログを開設したmaco-motionさん。彼女が綴るブログ『Postimerkki -切手蒐集の愉しみ-』には,実に多彩なデザインの切手があるのだが,なかでもお気に入りはクリスマス切手だという。
「とくに北欧のものが好きなのですね。また,繊細で美しい刺繍やレースの切手は,その地方独特のものが多いのでとても興味深いです」
では,そんなコレクションのいくつかをさっそく拝見させていただこう。
まずこちらは「デンマーク クリスマスシール 1963年」
こちらは1963年のシール。これもとってもお気に入りの一枚です。
緑,赤,金色とクリスマスらしい3色を使い,木の枝や雪だるまの白がとても効果的に使われています。三角帽子をかぶり踊っているような男の子と女の子はニッセなのかな?
見ているだけで微笑ましい気持ちになります。
さすがデンマークのクリスマスシールは名作揃いです。
たしかに見ているだけで楽しくなってくる切手だ。また,「スウェーデン レース 1982年」などのレース切手は,紙の切手がもってない柔らかな魅力があり,こちらも見飽きない一品だ。
このように国別だけでなく,「民族衣装・民芸品」や「ハト切手」「童話切手」など,細かくジャンル分けされた切手の数々は,見ているだけでとても楽しい気分になってくる。
「自分のコレクション整理のためにやっているブログですが,意外な方からコメントや情報をいただけたりするのが楽しいです。切手を通して今まで聞いたこともなかったような国名を知ることもあり,勉強にもなります。マイペースで長く続けていきたい趣味です」
そのデザインだけでなく,集めるスタイル,そして発表するスタイルも大きく様変わりした切手収集だが,人を魅了する力は不変のようだ。
(岡部敬史)